社会のスケッチ

学習メモ、本の紹介、随想ブログです。

職場での課題発見思考・問題発見思考の重要性

企業で働くうえで、求められるスキルの一つに「論理的思考力」があります。これは、情報を整理し、筋道を立てて考える能力ですが、論理的思考力だけでは不十分です。より効果的に仕事を進めるためには「課題解決思考」や「問題解決思考」といった思考力も欠かせません。そして、これらの思考を活用するためには、前提として「課題発見思考」や「問題発見思考」が必要です。本記事では、これらの思考方法がなぜ重要なのか、そしてどのように活用すべきかを考えていきます。

1. 論理的思考力の重要性

論理的思考力とは、物事を筋道を立てて考え、結論を導き出す能力です。職場においては、プロジェクトの進行管理や問題への対応、報告書作成などで、この能力が求められます。たとえば、プロジェクトの結果を報告する際に、どのようにしてデータを整理し、論理的に結論を導くかが重要です。企業の目標を達成するためには、明確かつ効果的に論理を展開する能力が必要です。

2. 課題解決思考と問題解決思考

論理的思考力が身についていても、最も効果的に活用するためには、「課題解決思考」や「問題解決思考」が必要です。これらは、問題を分析し、最適な解決策を見つけ出す能力であり、実際の業務やプロジェクトにおいては欠かせません。

  • 課題解決思考:目標に対してどの部分が改善すべきかを発見し、その目標を達成する方法を考えて実行する能力です。たとえば、業務効率化のためにどのプロセスを改善すべきかを見極め、それに対する具体的な改善策を講じることです。

  • 問題解決思考:障害や困難に直面したときに、その問題を特定し、解決策を考え出す能力です。たとえば、プロジェクトがスケジュール通りに進まない場合、その原因を分析し、適切な対応策を講じることです。

これらの思考は、企業が成長し続けるために非常に重視されます。なぜなら、どの企業にも課題や問題があり、それを解決できる人材が求められているからです。

3. 課題発見思考と問題発見思考の重要性

「課題解決思考」や「問題解決思考」を活かすためには、その前提として「課題発見思考」や「問題発見思考」が必要です。これらは、解決すべき課題や問題をどこに見つけるかを考える思考方法です。どんなに優れた解決策を考えても、解決すべき「問題」や「課題」が見つからなければ、何も始まりません。

  • 課題発見思考:現状を分析して、目標に対して「どこに成長の余地があるか」「どの部分が改善すべきか」を発見する能力です。例えば、業務の効率化を目指す際、どこに課題があり、どのように改善すべきかを見極めることです。

  • 問題発見思考:業務やプロジェクトの中で「何がうまくいっていないのか」「どこに潜在的な問題があるのか」を発見する能力です。たとえば、予算オーバーや納期遅れの原因を特定し、その問題がどこにあるのか(コミュニケーション不足、リソース不足など)を明確にすることです。

これらの思考方法を習得することで、より効果的な問題解決と業務改善が可能になります。

4. 日常業務における活用方法

  • 自己評価と課題発見思考
    日々の業務を通じて自分の強みや弱み、過去の業務における課題を振り返り、どのように改善していくべきかを考えることが重要です。このような課題発見思考を通じて、自分の成長を促し、業務の効率化や改善を図ることができます。

  • プロジェクト管理と問題解決思考
    プロジェクト進行中に困難な状況に直面した際には、「問題解決思考」を活用し、問題を特定して解決策を考え実行することが求められます。例えば、プロジェクトの進行が遅れている場合、その原因を洗い出し、解決策を立案・実行することが重要です。

  • 企業戦略の見直しと課題発見思考
    企業やチームの目標達成に向けて、どのような課題が存在するのかを発見するために、「課題発見思考」を活用します。市場の変化や競争の激化に対応するために、どの部分で改善が必要かを発見し、最適なアクションを取ることが企業の成長に繋がります。

5. 結論

企業で働くうえで、論理的思考力や課題解決思考、問題解決思考は非常に重要です。しかし、それを活かすためには、まず「課題発見思考」や「問題発見思考」をしっかりと身につけることが必要です。これらの思考を通じて、自分がどのように成長し、企業に貢献できるのかを示すことが、業務の成功や企業の成長に繋がります。

 

書籍紹介

いちばんわかりやすい問題発見の授業

すでに、解決する人より、「発見する人」が評価されている!多くの有名企業が27年間学び続ける「問題発見の技術」を1冊にまとめました。専門コンサルタントである著者がイラストと図を使い、限界までわかりやすく解説。授業形式でステップごとに学べるため、一つひとつしっかり身につけられます。

AIの発展や社員教育の確立で、誰もが同じような解決策をつくれるようになり、解決力の価値が下がりました。今、「問題を発見する人」が評価されるようになっています。「問題の根本解決」「作業量・時間を減らす」「思考の解像度が上がる」など、問題発見力はすぐに成果につながります。

 

問題発見力を鍛える (講談社現代新書)

新型コロナ問題が象徴するような、何が起こるかわからないVUCAの時代を生きる人間に必要なのは、問題を発見する力。問題解決はもはやAIにまかせ、問題発見の思考回路を獲得しなければならない。
自分の頭で考えて、課題を見つけるにはどうするか?
「具体と抽象」「アナロジー思考」「メタ思考」などを平易に解説してきたコンサルタントによる、これからの時代の思考法の基本レッスン。

 

イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」

2010年の『イシューからはじめよ』(旧版)発売以来、知的生産のバイブルとしてビジネスパーソンを中心に研究者や大学生などから幅広く支持されてきました。14年間一貫して売れ続けて累計58万部に到達(紙と電子版、旧版と改訂版を合算)。ビジネススキルの本として異例のロングセラー、ベストセラーとなっています。
そしてこのたび、「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」など、読者の実践のヒントとなる内容を追加した『イシューからはじめよ[改訂版]』を発行いたします。