読書漂流

面白かった本、役に立った本の読書記録・紹介です。

「火焔土器の国 新潟」新潟県立歴史博物館 新潟日報事業社 2009

 

「なんだ、コレは!」

芸術は爆発だ!」という名言や、大阪の『太陽の塔』で有名な芸術家の岡本太郎は、初めて火焔型土器を見た時、こう叫んだという。

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 火焔型土器は、縄文土器の一種であり、ほとんどの小中学校の歴史教科書や、高校日本史の教科書でその写真が掲載されているので、その形に見覚えのある人も多いだろう。しかし、日本全国でこの型の縄文土器が出土しているわけではない。

火焔型土器は、富山・長野・山形県などでも確認されているが、そのほとんどが新潟県内、特に信濃川の上・中流域(津南町十日町市長岡市)で集中的に出土している。

最初に火焔型土器が出土したのは新潟県長岡市の馬高遺跡であり、1936年に近藤篤三郎氏らの調査によって発見された。この調査により出土した第1号の土器のみを「火焔土器」と呼称し、その後に出土した同型の土器を「火焔土器」と呼ぶ慣習がある。

現物を見たい人は、十日町博物館や、新潟県立歴史博物館に行けば、たくさんの火焔型土器を見学することができる。十日町博物館に展示されている土器の中で、教科書等に掲載されることの多い代表的な火焔型土器(国宝指定番号1)は、「縄文雪炎(じょうもんゆきほむら)」、「火焔型土器No.1」、「ナンバーワン」などの愛称で呼ばれており、とりわけ芸術的な外観を持つ作品となっている。

今から5000年前に、縄文人はどのようなことを頭に思い浮かべながら、このように複雑で美しい文様をもつ火炎土器を制作したのだろうか。本書に掲載されている火焔型土器を見ているだけで、いろいろと想像力を喚起されてしまう。