読書漂流

面白かった本、役に立った本の読書記録・紹介です。

「24人のビリー・ミリガン」ダニエル・キイス ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2015

1977年、オハイオ州で連続レイプ事件の容疑者としてビリー・ミリガンという男が逮捕された。しかし、本人には、罪を犯した記憶がまったくなかった。その後、取り調べや精神鑑定を行ううちに、ビリー・ミリガンの心の中には、24人格が存在しており、犯行はそのうちの1人によるものだったという事実が明らかになる。

まずは、最初の裁判の時点で、ビリー・ミリガンの心の中には次の10人がいることがわかった。

ビリー・ミリガン(26歳):17歳の時にビルの屋上から飛び降り自殺を図る。しかし、飛び降りる直前にレイゲンが彼を止め自殺は失敗し、長い間眠らされる事となった。

アーサー(22歳):上流階級のイギリス人。合理主義者。流暢なアラビア語を読み書き。

レイゲン(23歳):ユーゴスラビア人。空手の達人。アドレナリンを自由に操る。

アレン(18歳):口が達者なので交渉ごとに出てくる。ビリーの母親と親密。

トミー(16歳):電気好きの少年。縄脱けの名人。風景画を描く。

ダニー(14歳):いつも男性に怯えている。静物画を描く。

デイヴィッド(8歳):他の人格の苦痛を吸収する役割。

クリステン(3歳):イギリスの金髪の少女。失読症

クリストファー(10歳):クリステンの兄。コックニー訛り。ハーモニカを吹く。

アダナラ(19歳):黒髪のレズビアン。詩を書く。花屋でアルバイトをした事がある。

これだけでも驚きだが、人格の出現はこの10人だけでは終わらなかった。ビリー・ミリガンがオハイオ州の精神衛生センターに移送され、精神治療を受けるうちに、彼の心の中には、さらに次の14人の人格が潜んでいることが分かったのだ。

フィリップ(20歳):俗悪な言葉を話す乱暴者。

ケヴィン(20歳):犯罪癖をもつ。

ウォルター(22歳):オーストラリア人の猟師。方向感覚がよい。

エイプリル(19歳):ビリーの義父に復讐心をもつ。

サミュエル(18歳):正統派ユダヤ教徒

マーク(16歳):主体性がない。

ティーヴ(21歳):他人の特徴の真似をする。人を嘲る。

リー(20歳):悪ふざけをする。

ジェイスン(13歳):仲間の記憶を引きうけるかわりに自分の記憶を喪失する。

ロバート(17歳):夢想家。

ショーン(4歳):耳が不自由。

マーティン(19歳):ニューヨークっ子。気取った性格。

ティモシー(15歳):同性愛者に迫られて心を閉ざした。

「教師」(26歳):23人の自我を統合しようとしてあらわれた人格

以上のように、裁判や精神療養の過程において、24人の人格が次々と現れて話が展開されるという、驚天動地のノンフィクション。上下2巻本だが、推理小説を読む時のように、あっという間に読み終わってしまった。